風を使わず、熱エネルギーの放出によって室温を調節する「放射(輻射)冷暖房」。その仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
放射(輻射)冷暖房とは、輻射熱(ある物体から放出され、電磁波となって他の物体に届く熱エネルギー)を利用した冷暖房のことを指します。室外機で作られた温水または冷水が、パイプを通って各部屋のラジエータに送られ、ラジエータから放射される熱によって室内を温める(もしくは熱を吸収して室内を冷やす)という仕組みです。
放射(輻射)冷暖房は、エアコンのように空気を対流させません。そのため、風による乾燥がなく、床付近に溜まりがちなハウスダストやダニなどを巻き上げる心配も少なく、肌に優しいシステムと言えます。またシステムの作動音もほとんどなく、寝室や、音に敏感な人の部屋への設置にも安心です。
放射(輻射)冷暖房では、ラジエータから放射された熱が天井や壁、床などを温め(冷やし)、その熱が空間に伝播していきます。そのため室内に温度のムラが生じにくく、自然で快適な空気が体感できます。天井などに蓄えられた熱は、電源を切ってもしばらく持続し、急激な温度変化もありません。
物質を温め、その熱で空間を温めるという放射(輻射)冷暖房の仕組み上、部屋全体が快適な温度になるまでには時間がかかります。この点を補うため、扇風機やエアコンなどを併用することが望ましいケースもあります。
放射(輻射)冷暖房は、ラジエータから離れた場所や、壁などの仕切りがある場所では効果が低くなってしまうため、住宅の設計段階から設置場所を考えておかなければなりません。間取りデザインという観点では、このことによって自由度が制限されてしまう可能性があります。
「温ったcafé(あったかふぇ)」は、輻射式全館冷暖房の家。風(空気)に影響されず、温度の高い方から低い方へ移動する輻射熱の働きによって、夏は鍾乳洞のようにひんやりと涼しく、冬は焚火のようにじんわりと温かい、快適な住まいとなります。
日本の夏を快適に過ごすために開発された「PS HR-C」。 ラジエータの中に水を循環させ、放射と自然対流により、空間全体に自然な温度変化と、安定した涼しさ/暖かさをもたらします。 「自然を感じられる室内環境」をポリシーとするピーエスグループならではの、季節の自然のままの快適性を叶える製品です。
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